『ダンダダン』に登場するセルポ星人の見た目が、「ウルトラマン」シリーズのペガッサ星人やダダに酷似していることに気づいたファンも多いのではないでしょうか。
この記事では、「ダンダダン ペガッサ 星人」というキーワードを軸に、セルポ星人のビジュアルや設定がどのようにオマージュされているのかを徹底考察します。
宇宙人好き・特撮ファン・都市伝説好きにも刺さる、元ネタの深掘り解説をお届けします。
この記事を読むとわかること
- セルポ星人の元ネタがペガッサ星人とダダである理由
- 「プロジェクト・セルポ」に基づいた都市伝説との関係性
- 『ダンダダン』に登場する宇宙人の背景とオマージュ要素
セルポ星人のモデルは「ペガッサ星人」と「ダダ」だった!
『ダンダダン』に登場するセルポ星人の外見は、特撮ファンにとってどこか懐かしさを感じさせるデザインとなっています。
その理由は、昭和ウルトラマンシリーズに登場する「ペガッサ星人」と「ダダ」にあると言えるでしょう。
このセクションでは、オマージュ元としての特撮キャラの魅力と、セルポ星人に落とし込まれた要素を詳しく掘り下げていきます。
ウルトラマンシリーズへのオマージュ要素とは
セルポ星人の特徴でまず目を引くのが、四角く角ばった頭部と細かく整った髪型です。
これは、初代ウルトラマンに登場するペガッサ星人のビジュアルと酷似しています。
さらに、表情の乏しさや人間を標本化しようとする動機は、「ダダ」の冷酷かつ無機質なキャラクター性を思わせるものです。
『ダンダダン』の作者・龍幸伸氏が、このようなクラシックなキャラクターたちへのリスペクトを形にしている点は、特撮ファンとして非常に心躍る部分だと感じました。
セルポ星人のビジュアルと能力の共通点
セルポ星人は、人間体では小太りのおじさんの姿をしており、本来の姿は鋭角的な頭部と飛び出た目を持つ異形の宇宙人です。
この点はペガッサ星人の宇宙的な外見と、ダダの異常な顔面構造の両方にインスパイアされていることが分かります。
また、人間標本を収集しようとする目的も、ダダの行動パターンと完全に一致しています。
そのため、セルポ星人は単なるパロディに留まらず、昭和特撮のエッセンスを現代漫画に巧みに再解釈したキャラクターとして高く評価できるでしょう。
「プロジェクト・セルポ」が示す都市伝説との関係性
『ダンダダン』に登場するセルポ星人は、ただのオマージュキャラではありません。
その名前の由来となっているのが、アメリカで語り継がれる陰謀論的都市伝説「プロジェクト・セルポ」です。
このセクションでは、その都市伝説の概要と、作品中での意味合いを照らし合わせて考察していきます。
ロズウェル事件と米政府の極秘計画
「プロジェクト・セルポ」は、1947年のロズウェル事件を発端とするUFO陰謀論に関連しています。
墜落したUFOから救出された宇宙人とアメリカ政府が秘密裏に協力し、惑星セルポへ12名の人間を交換留学生として送り込んだという説が、それです。
この計画は実際には公式記録に存在せず、匿名掲示板などを通じて断片的に広まったものですが、オカルト好きやUFO研究家の間では有名な逸話となっています。
『ダンダダン』では、このエピソードをセルポ星人というキャラ設定に組み込むことで、読者の記憶にあるUFO神話と作品世界をリンクさせる仕掛けになっています。
セルポ星人=友好的宇宙人という設定の意味
プロジェクト・セルポでは、セルポ星人は人間と対話可能な高等生命体として描かれています。
『ダンダダン』でも、彼らはモモたちと交渉を行い、ときに敵対しながらも、完全な悪ではなく、目的を持った知的存在として描かれています。
この設定は、地球人と宇宙人の関係を再考させる寓話的な意味を持っているようにも感じました。
特に、暴力的でなく理性的に話すセルポ星人の姿には、「敵=悪」という単純構図を覆す現代的な視点が盛り込まれています。
ペガッサ星人・ダダとは何者か?特撮ファンなら知っておきたい知識
『ダンダダン』のセルポ星人をより深く理解するには、モデルとなった「ペガッサ星人」と「ダダ」について知っておくことが重要です。
彼らは昭和のウルトラマンシリーズにおいて、単なる敵キャラにとどまらない哲学的・芸術的な存在として描かれてきました。
この章では、それぞれのキャラクターが持つ世界観や演出意図について解説します。
ペガッサ星人の特徴とその世界観
ペガッサ星人は、『ウルトラセブン』第6話「ダーク・ゾーン」に登場した宇宙人です。
彼らは地球と衝突する運命にあった「第10惑星ペガッサ・シティ」からの使者として描かれました。
戦いを好まず、あくまで理性的かつ平和的に交渉を試みる存在であり、“話せる宇宙人”として当時としては非常に異色でした。
外見は黒い目元が特徴的で、どこか哀愁を帯びた造形が印象的です。
こうした哀愁や悲劇性は、セルポ星人にも受け継がれており、ただのパロディにとどまらない奥深さを感じさせます。
ダダの恐怖演出とデザインの独自性
一方で、ダダは『ウルトラマン』第28話に登場する、人体標本採取を目的とする冷酷な宇宙人です。
彼の最大の特徴は、白と黒の幾何学模様の顔と三つの顔を切り替える演出にあります。
この不気味なデザインと非情な行動によって、強いインパクトを残したダダは、今でもウルトラシリーズを象徴する敵キャラの一人です。
『ダンダダン』のセルポ星人にも、無感情で合理的な行動様式が反映されており、ダダの影響が色濃く表れています。
このように、二つのキャラクターの“平和”と“恐怖”という二面性が、セルポ星人の中に巧みに融合されている点は注目に値します。
『ダンダダン』に登場する宇宙人たちの元ネタまとめ
セルポ星人以外にも、『ダンダダン』には多くの異形の宇宙人が登場し、その多くが実在の都市伝説やUMA(未確認生物)を元ネタとしています。
そのバリエーションの豊かさと元ネタ選びの妙こそが、本作がただのバトル漫画ではない証拠です。
この章では、代表的な宇宙人たちの出典を一覧的にまとめて紹介していきます。
フラットウッズモンスターやドーバーデーモンなどのUMA
10m級の巨体と霧攻撃を操るフラットウッズモンスターは、1952年にアメリカのフラットウッズで実際に目撃されたという宇宙人が元ネタです。
異臭や体調不良を引き起こす描写は、当時の目撃報告と非常に一致しており、UMAを題材にしながらもリアリティを持たせた演出が印象的でした。
また、ドーバーデーモンは1977年にマサチューセッツ州で複数の若者に目撃された未確認生命体で、その小柄な体と大きな頭、ぬめりのある皮膚という特徴が、作中のボクシング宇宙人に落とし込まれています。
こうした実在の目撃情報があるUMAを巧みにキャラ化するセンスが、『ダンダダン』の魅力の一つだと感じます。
クトゥルフ神話や民間伝承も登場!多彩なルーツを一挙紹介
セルポ星人たちが敵対する「深淵の者(クル)」は、ラヴクラフトが創作したクトゥルフ神話の影響を強く受けています。
特に、名前の由来や触手を思わせる不定形な姿は、クトゥルフ神話の邪神に対する明確なオマージュです。
また、「オンブスマン」や「邪視」などのキャラクターは、日本や世界各地の民間伝承に基づいており、妖怪や悪霊がベースになっています。
このように、都市伝説から神話、UMAまで多岐に渡る元ネタを取り入れることで、『ダンダダン』の世界は不気味ながらもどこか既視感のある独特な雰囲気を醸し出しています。
ダンダダン ペガッサ 星人の元ネタと考察のまとめ
『ダンダダン』に登場するセルポ星人は、その名前や造形に「ペガッサ星人」や「ダダ」といった昭和特撮の影響を色濃く受けた存在です。
加えて、「プロジェクト・セルポ」という都市伝説の要素も重なり、オマージュと創作が融合した魅力的なキャラクターとして描かれています。
ここでは、改めてセルポ星人というキャラクターの持つ意味を整理し、本作の楽しみ方を提案していきます。
セルポ星人に込められたオマージュ精神とは
セルポ星人は単なる敵キャラではなく、異文化理解の象徴としても機能しています。
ペガッサ星人のように対話を試みる一方で、ダダのように人間を対象化する冷徹さも持ち合わせており、二面的な宇宙人像を体現しています。
このような構成は、特撮・都市伝説・民間信仰を現代の文脈に再構築しようとする『ダンダダン』の根本的なテーマにもつながっていると考えられます。
ファンとしては、オマージュを発見する楽しさと、その意味を深掘りする知的好奇心の両方を満たせるのが、このキャラの醍醐味です。
『ダンダダン』をより深く楽しむために知っておきたい背景知識
『ダンダダン』にはセルポ星人以外にも、フラットウッズモンスター、モンゴリアンデスワーム、カシマレイコなど、数多くの元ネタがあります。
これらの怪異の背景を知っておくことで、ただのバトル漫画としてではなく、文化・信仰・都市伝説を横断する知的作品として楽しめます。
さらに、特撮・ホラー・SFを跨ぐ幅広いジャンルを内包していることから、異なる視点から繰り返し読み直す楽しみもあるでしょう。
「ペガッサ星人」「ダダ」「プロジェクト・セルポ」といった知識が、『ダンダダン』の読解をより豊かなものにしてくれるのは間違いありません。
この記事のまとめ
- ダンダダンのセルポ星人はペガッサ星人とダダがモデル
- ウルトラマンシリーズへの深いオマージュが込められている
- プロジェクト・セルポ由来の都市伝説が設定に反映
- 宇宙人や妖怪の元ネタが多彩で知的好奇心を刺激
- クトゥルフ神話やUMA、民間伝承も随所に登場
- 特撮・都市伝説ファンが楽しめる要素が満載
- 知って読むと『ダンダダン』の世界がさらに深まる
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